2015年2月28日土曜日

いきなりガンダーラ終了

どうも。青山健一です。
寒い2月の雨振る中、火曜日、水曜日の2日間公演という集客的にどうなの?というスケジュールでしたが、下北沢演劇祭参加公演ということで、会場費、機材費無料が強力に支えてくれまして、薄謝ながら俳優陣にもギャラを渡せました。ホントに良かった。ホッとした。と、これはこっちの話なので、ホントどうでもいいんですが、やはり(大多数の)演劇をやっている人達の現状はキビシい。世の中、ブラック企業がどうとかこうとか騒がれていますが、(大多数の)劇団なんてブラックもブラック、宇宙が始まる前の「無」ってのは、こんな感じだったんじゃないか?ってくらい真っ暗闇で、それにもかかわらず、なぜ人は芝居をするんだろう?時には、セリフ一つについて延々と時間をかけて、紐解いていくこともあり、大人が数人集まれば、そう簡単に気持ちが一つになることなどなく、衝突に次ぐ衝突。稽古後になけなしの金で安酒を煽り、希望の一つも語れればいいが、口から出るのは愚痴ばかりで、たまに見えた(ような)気がする希望の尻尾(のようなもの)は、あまりに夢のような話で現実感0%、帰りの満員電車に揺られながら、自分がつぶやいた希望に羽交い締めにされる有様。それらを仕事を休んでまで行い、稽古場に行く電車代もバカにならない状況でやり続けている演劇地獄。というのは、僕の劇団に対する妄想であって、ホントのところはわからないので2011年秋、劇団をはじめた。そしたら案外地獄でもなく、やり方次第なんじゃないの?って思いました。僕らがバカはバカなりに、こんなふうに生きてますって楽屋話をやろうと思って作った「いきなりガンダーラ」。もうタイトルにすべて入ってまして、始めた瞬間は誰でも「いきなりガンダーラ」にいるわけです。それを自分たちでどんどんややこしくして地獄に向かって進み始める。ガンダーラから地獄への旅。コードって何?って状態で一番最初にエレクトリックギターをかき鳴らしたあの興奮を忘れないようにすればいいんです。ギター弾いたことないけど。なんでみんな地獄方面に行っちゃうんだ!僕はいきなりガンダーラで、ずっとガンダーラがいいです。しばらくポニーズの公演はありませんが、そのうちまた演ります。ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。

2015年2月9日月曜日

2月9日

ポニーズブログをご覧のみなさまこんばんは。
あと1週間ですね。

いやー前回僕ブログに書きましたが
演出と僕の考え方にまだ齟齬があったようなので修正して。
僕はシルヴィギエムみたいな、暗い小さなとこで踊るとか
なんとか言ってましたが、ちょっとまた変わりまして。

稽古から本番まで楽しくするにはどうしたらいいんだろう
ってことを旗揚げからずっと演出は言ってて
その取り組みが今回は台本を見ないっていうやり方でした。

今回のやり方で稽古場に入ると、セリフの確認作業ができないわけです。
だから目の前の人と反射でやりとりしてる。
先のこと考えずに。
こういう流れだったなってのは覚えてます。
けどプロンプがいなくなってからのセリフの精度ってなるとかなり落ちる。
ポニーズは会話劇なので、的確にセリフも発話しないと
リズムが生まれない。

この時に僕は、セリフが入ってないからうまくいかないと思いました。
ただこの、セリフが入ってないからうまくいかないってのは
セリフが入ってる時のうまくいってる感だけで
これまでずっと芝居をしてきて、もちろんその経験値が武器であり
仕事道具でもあり、反面それが大きな弊害なんじゃないかと
演出は問題視したわけです。

うまくいかない時間があって、その後にうまくいく姿を描くんじゃなくって
うまくいかない自分を笑いながらできませんかってことなんですね。
これはポニーズの考え方なので、読み流すくらいでちょうどいいと思いますが
まあでも自分にとってそれは、かなり欠けてる要素だなあと思ったわけです。
悩むことで肯定している時間というのかなあ。
そもそもこうやって文字に起こしながら、考えて
答えを見つけなければみたいな作業とは方向が違う気がする。
もはや理系の性だろうか。

気に入ったアーティストのファーストアルバムが
一番良かったなーって思うことがたまにあるんですけど
そういうことなのかもな。

ポニーズの作品、僕はどれも好きなんですが
ポニーズの旗揚げのいきなりガンダーラって
イザナギとイザナミが天沼矛で海をねりねりして
作ったみたいな土地で、わー僕たち立てたー!
って感じの作品だった気がします。

それからの作品は道ができて、家ができて
草むしって、暮らしやすい作品だった。
いや、おもろいんですよ。
うーん例えがわからんくなってきた。

なんだかわかりませんが、皆様に感謝して
下北に向かおうと思っています。田

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◇第25回下北沢演劇祭参加公演◇
劇団ポニーズ第12回公演
「いきなりガンダーラ」
 
旅する児童劇団員達の夢と希望と挫折と劣等感と
怨嗟と友情と愛と軽薄さを完全舞台化!
 
【作・演出】
青山健一
 
【出演】
林周一
田中田田田
みぞぐちあすみ
リアルマッスル泉
ゲスト・吉田佳世
 
【舞台監督】
河内哲二郎
 
【照明】
下田めぐみ
前田さやか
 
【会場】
北沢タウンホール
 
【公演日程】
2月17日(火)開場:18:30/開演:19:00
2月18日(水)開場:18:30/開演:19:00
 
【チケット】
大人:1500円
中学生以下:500円
 
◉前売特別割引◉
《ペア割》
2人で予約すると400円割引!
3000円→2600円
 
《グループ割》
5人で予約すると1人タダ!
7500円→6000円
 
※割引は前売予約のみのお取り扱いです。ご予約時に「特割希望」とお伝えください。
 
【お問い合わせ】
gekidan.ponys@gmail.com

2015年2月8日日曜日

体で覚える

こんにちは、
劇団ポニーズのみぞぐちあすみです。
(((o(*゚▽゚*)o)))

今回の稽古のやり方については以前のブログで田中さんが
説明してくれている通り、データ上の台本を1人が持ち、
全てのセリフをプロンプ(口頭で伝える)する所から始まりました。

初めてセリフを聞く時は次に何が起こるかわからない状態で、
自分の話している言葉や他の役が何を話しているかをしっかり
聞かないと状況がわからなくなってしまいます。
最初は新しい稽古法の楽しさが大きくてただ一生懸命プロンプに
ついていくだけでしたが、これはしっかり聞いて、相手や自分が
何を言っているのかに集中しないと何も獲得できないと感じました。
ちゃんと聞いて、ちゃんと見て、ちゃんと感じた事をやる。
当たり前だけど。

台本を持って立ち稽古をすると、体は動かしにくいけど、
この方法ならどんな事をしていてもプロンプに耳を傾けられるので
体ははじめからとても自由です。
お茶飲んだり、体を動かしたりしながらだらだら喋るみたいにできる。
こういうことは日常だと普通の事なんだけど…
うまくいっている時は、動きとセリフの面白い合わせ技みたいなのが
生まれたりします。思わずみんな笑っちゃうやつ。

だんだん稽古が進むと大まかな流れが体に入ってきて、
セリフは台本に近づいていきます。
セリフを覚え始めるとプロンプを追い越していきますが、
今のところセリフが文字として頭をよぎる事が1度もありません。
なぜなら、台本を覚えるほどみていないから。笑
台本を読んでいてもセリフが入れば頭で台本を追いかけなくなるのですが、
それがはじめからなのはとてもいい感じです。
頭に入れるというより、体に覚えさせるという感覚に近い。
セリフも頭を通らないで口から出ている気がします。
その分私はペラペラ喋らないように注意が必要。

ポニーズは「間違えた」という感覚を無くそうとして
初演「いきなりガンダーラ」では台本を作らず、最後の1週間で
録音した稽古を台本におこすというやり方をしました。
今回は初めて台本を読んだ時に作られてしまうイメージを固定させず、
どんなやり方でもできる余白みたいなものを感じています。
これは実はどんな台本をやる時でもそうであるといいのになと思うことです。

本番まであと10日、
劇場でお会いしましょう。
お楽しみに(*^^*)


◇第25回下北沢演劇祭参加公演◇
劇団ポニーズ第12回公演
「いきなりガンダーラ」
2015年2月17日(火)・18日(水)

【作・演出】
青山健一

【出演】
林周一
田中田田田
みぞぐちあすみ
リアルマッスル泉

ゲスト・吉田佳世

【舞台監督】
河内哲二郎

【照明】
下田めぐみ
前田さやか

【会場】
北沢タウンホール

【公演日程】
2月17日(火)開場:18:30/開演:19:00
2月18日(水)開場:18:30/開演:19:00

【チケット】
大人:1500円
中学生以下:500円

◉前売特別割引◉
《ペア割》
2人で予約すると400円割引!
3000円→2600円

《グループ割》
5人で予約すると1人タダ!
7500円→6000円

※割引は前売予約のみのお取り扱いです。ご予約時に「特割希望」とお伝えください。

【お問い合わせ】
gekidan.ponys@gmail.com

2015年2月2日月曜日

2月1日

はじめまして。
今回【いきなりガンダーラ】に登場させていただきます、吉田佳世です。

私は下北沢タウンホールでやらせていただくのは二回目で、
一回目は2012年2月25日【ボイジャー先生】で、これが初めてのポニーズ出演でした。
それから三年後にまたやらせてもらえるなんてなんだかとてもうれしいです(*^^*)
さてさて、このポニーズの団長の青健さんは画家です。なのにお話を書きます。
昔何かに、絵画とは無声の詩であり詩とは有声の絵画であると書いてあったのを読んだ
事があります。青健さんが書くお話は絵画と詩が混ざっているようでなかなか他では
味わえないと思います。
今私達は新しい稽古方法で稽古をやってます。
私もこんな事はじめてなのでどこへ辿り着くのかよくわかりません。
ただとても原始的なものを感じ、ただいる事が許されている気がします。
お互いいることが当たり前の気がします。
どんな舞台になるか私もワクワクしています。
時間の合う方、ぜひタウンホールに足を運んで見て下さい!


劇団ポニーズ演劇公演
『いきなりガンダーラ』
◆作・演出◆
青山健一
場所◆
北沢タウンホール

2015年2月17日(火)~18日(水)
開演 19時

◎チケット◎
大人1500円/中学生以下500円

◉前売特別割引◉
【ペア割/2人】2600円
【グループ割/5人】6000円
※ペア割・グループ割は前売のみでのお取り扱いです。
ご予約の際に「特割希望」とお伝えください。

◆出演 ◆
リアルマッスル泉 
田中田田田 
みぞぐちあすみ
林周一 
吉田佳世

◆舞台監督 ◆
河内哲二郎

◆照明◆
しもだめぐみ 
前田さやか

◎お問い合わせ◎
gekidan.ponys@gmail.com

2015年2月1日日曜日

簡単なことが難しい

ポニーズブログをご覧のみなさまこんばんは

今回の本番に向けて行っている稽古は
今までにやってきたこととは全く違っています。
タブレットに書かれた台本が一つあるだけ。
役者はそれを見ることができません。
出演者が5人、主宰が1人いるのですが
タブレットの台本を読む人が
役を演じる人5人にそれぞれ口立てでセリフを与えて
役の人がそのセリフを繰り返します。

役者、演出家関係なく稽古して
「いきなりガンダーラ」の骨格だけをまずは共有しています。
なぜこのような稽古になっているかというといくつか理由はありまして
台本を与えると役者はセリフを覚えるのですが
セリフを覚えることで先の展開も予測して準備をしてしまう。
これは演劇界の99.999%ぐらいのセオリーなんですけど
役者の準備行為や、「セリフ」というものが
芝居を窮屈に見せているのではないか?
少なくとも僕たちは。

ということを去年末主宰が言いまして
それを解消するためのひとつの試みでやってます。
これは成果のほどが、やり遂げないと分からないので
いったいどうなることやら。というところから始まり
今ではメンバーそれぞれがこの稽古で
何かしらを抽出しながら取り組んでいます。
なので従来の稽古とは違い
役者の神経の置き方も様々あるように見えます。

活字を目で追わないことは状況に、より肉薄できて
稽古初期に台本を手に持って演じる事での
相手役の微細な表現の見逃しを減らしていると感じています。
台本が先にあることで相手のセリフを先読みしたり
展開を円滑にするために先に動いておいたり
リアクションを準備していたりと
こう文字で書いていると、そんな悪いことのように
思えないのですが、用意しておくことで視野が狭くなって
しまうことも事実であると思っています。

そもそも役者は人前でウソをついてお金をいただく存在ですが
ウソのつき方がもう無限にあって、こんな事が許されるのは
役者と一部の政治家だけなんじゃないかと思ったりしていまして
立場は違えど僕たちもなるべく
真面目に見えるようにウソをつきたいわけです。
朗らかに笑ってもらえるウソを。
ウソを身近に引き寄せるために
皮膚感覚で演じるために、こういう稽古になっています。

僕自身がポニーズの一番のファンなもので
稽古で新しいセリフを耳にするたび笑ってしまい
この稽古しながら笑ってしまってる感覚は
もうほんとに楽しいというか、幸せなところでもありますが
ちょっとこの無防備に笑ってる感覚を
もう少し研ぎ澄まして、内向的にしてみようと思います。

シルヴィギエムというダンサーが
ラヴェルのボレロという曲で振付をした動画を
ポニーズでよく見てて、演目にもしたことがあったのですが
ボレロの最後の方、演奏が重なってきて壮大に
音楽が膨らんでる頃に、ギエムもバッタンバッタンと
勇壮に踊っているところがあるんですけど
きっとあれは感情で踊っているのでなく
小さな暗いところで淡々と踊っているような気がするのです。
わかんないけど。

なんかそういう自分を切り離すことで成立するような感覚を
この公演で掴んでみたいと思います。
ポニーズの一番のファンでなくなってしまうのは残念ですが
そこに新しい喜びを見つけられたらいいです。
おいおい長げーな。田