2014年5月26日月曜日

長いっす

ポニーズブログをご覧のみなさまこんにちは。
今度の7月で3周年を迎えるポニーズです。

次回公演が10回目に当たるので
記念碑的演劇実験室的なことやっちゃう?なーんて。
みたいなことをDEATHだらけの休憩中に話していたら
イレギュラーでせんがわ演劇コンクールの本選出場が決まったわけです。
そんなことになりまして、田中とみぞぐちで上演順の抽選会に行きました。
ポニーズは、7月12日土曜日、14:55~15:35になりました。
無料公演なのでお誘い合わせの上お気軽にご来場くださいませ。
ポニーズを知らない人にも観てもらえる機会が与えられて
ありがたいことです。ありがとうございます。

抽選会で意気込みを聞かれたんですけど、意気込みを答えながら
2年前から毎年応募してやっとエントリーできたから
まるで僕たちは毎回日本代表には呼ばれるのだが
試合には使ってもらえない選手のような複雑な心境だったな。
そう思いました。
それが3回目の応募の末、晴れて代表のピッチに立つことができる。
この演目にかける思いも3倍くらいあんじゃないかと。
いや実際は代表にも呼ばれなかったわけですが。

1回目はテーマ「宇宙」のコンクール。
本選で上演するであろうテキストを、ボイジャー先生という台本で進めていたら
落選の通知が来まして、これは結局北沢タウンホールで上演した
ボイジャー先生という演目になりました。

2回目はテーマ「調布」のコンクール。
本選で上演するであろうテキストを
警戒しながら一級科戦タマリバーという台本で進めていたら
再び落選の通知が来まして、これは現在お蔵となっております。

本選出場の今回はDEATHだらけが候補として挙がっていましたが
諸事情を鑑み「HIPHOP町工場」を上演いたします。
これご覧になった方もいるかと思いますが
ショートポニーズで20分くらいだった演目を
本選用にキャストを変えて加えて40分。
お尻が痛くなる前、ちょうどいいくらいの悲喜劇をお届けします。
ご期待ください~


あとJ-COMのCMにコンクールの出場団体紹介で
ポニーズも15秒だけ使わせてもらえました。
調布・府中エリアのJ-COMの加盟者限定になるかと思います。
みぞぐちがラップしてる貴重なCMです。

「おはようございます」
「あ、おはよー」
「なんですかそれ?」
「スケッチブック。今日15秒CMの撮影あんじゃん。何しようかなと思ってさ。
 紙芝居しようかなーって」
「え?描いてきたんですか?」
「いや、大変だし時間足りないと思ってやめたんだけど、応募動機のあらすじ
 あったじゃん、あれカンペにしてそのまま読もうかなって」
「へー」
「金も名誉も権力もない町工場職人が、日々書き溜めたラップを
 夜な夜な浮世に解き放つ。町工場ラッパーのよくある悩みを
 完全舞台化!劇団ポニーズ、HIPHOP町工場。って感じで」
「あーはいはい」
「で、ただ読むのもつまんないしラップでやろうって」 
「はは、そうなんだ。でもラップになってないじゃん」
「韻ふんでないしね。でも抑揚ついたらそれっぽく聞こえるし」
「うーん」
「で、あすみちゃんがやんの」
「え?なんで」
「おれがやってもつまんないじゃん」
「え、いやですよ。田中さんやったらいいじゃん」
「おっさんのラップより、かわいい女の子のへたくそなラップのほうが見たいって」
「えーわたしやったことないもん」
「大丈夫、あとで練習しよう」

そんな軽いノリで練習して撮影したCMです。
僕らは軽いノリのつもりが、撮影スタッフの方がノリノリで面白がってくれて
カンペ、カメラの上がいいですかね?あ、やっぱ下の方がいいみたい。とか
もっとカメラに視線当てたほうがいいです。とか
体動かした方が動きがあっていいですよ。とか
これ2パターン撮りましょう。とか
すごいいいのが撮れましたよ!見てみます?とか言って
その場で再生しようとするもんだから、こっちが慌てて
まだ後に劇団も控えてるし大丈夫ですよとお断りしたら
あ!そうですね。という具合でした。
ありがとうございました。
みぞぐちはやればやるほど緊張して膝がガクガクしたそうです。
これはぜひ見てみたいですね。
田中

 
 

2014年5月12日月曜日

路地裏DEATHだらけ後記:青山健一


2011年の時点で、有史以来、今まで死んだ人間の数は推定1000億人強だそうです。
ある日の夜、東京の路地裏を散歩しながらフと思った。
東京は江戸時代から人口密集地としての歴史があって、その後も空襲や地震や
大火事など様々な災害に見舞われている。近年は爆発的な人口増加によって、
人口に対して仕事が少なく、そうなると企業は少ない賃金でも就労希望者が
確保されているから、労働者は足下を見られて労働条件は悪化する。
毎日なんとかギリギリの暮らしをしている人達も、今ついている仕事が明日なくなる
かもしれず、なくなった途端に生活は破綻し、その結果自殺者や孤独死が増える。
そんなふうに単純な法則で世の中は成り立っていないかもしれないけど、散歩中の
想像としてそんなことを考えた。
目の前にゴミ捨て場があり、ここで死んだ人が居たかもしれないなぁと思った。
成仏(もしそんなものが本当にあれば)できずにウロウロしていて、今まさに
僕を驚かそうと、やっきになっているかもしれないが、霊感0%の僕には見えない。
ユーレイはよくあるホラー映画のように、世に恨みを持った1人の恐ろしいバケモノ
ではなく、あらゆる世代のユーレイが協力しながら一緒に知恵を絞ってあの手この手で
人間を驚かそうとしている。
敬愛する水木しげる先生は、オバケにゃ学校も試験も何にもないと仰ったが、
毎日遊んで暮らすユーレイ達も、実際何にもない生活は退屈きわまりないので、
コレなんとかなんないか?っつーことで、人間に習ってポイント制を導入し、
ポイントが一定値溜まると成仏(なにそれ美味しいの?)できるという特典をつける。
ユーレイ達は成仏というものが実際なんなのかさっぱりわからないけど
、目標ができたのでなんとなく頑張る。もちろん頑張らないユーレイもいる。
まれに浮き世にも別段お金に執着していない人がいますが、ユーレイにも
そういうのがいたりして。
そんな話を思いついたので、さっそくポニーズでやってみようと思って、
「路地裏DEATHだらけ」を演りました。
書き進めるうちに、自殺しようとするサラリーマンが出てきて、ユーレイとアレコレ
やり取りしてるうちに、なんかよくわかんないけど、バカらしくなって自殺するのを
やめる。なにか特別感動的なことを言われたり、生きることは素晴らしいと諭されるわけ
ではなく、なんとなくバカらしくなって死ぬのをやめる。
観劇したお客さんから、自殺はよくないとかハッキリ言わないのが、ポニーズらしいと
言われてそうか〜と思った。いや、でも僕も自殺はよくないと思いますよ。
なんでって言われるとすごく真面目に考えて、「わかんない」って答えますけど。
やり終えてからいつも思うのは、真面目に考えた末に「わかんない」って答えるしかない
事柄を芝居にしたいってことなんだけど、「わかんない」ってことを芝居にしても
売れませんね。だって皆「わかんない」ってことだけは「わかってる」んですから。
えー、自分でも何書いてるんだかわかんなくなってきたのでおしまいにします。
では、また次回作でお会いしましょう。
あ、次回作で思い出しましたが、調布市のせんがわ劇場が主催する「せんがわ演劇
コンクール」の一次審査を通過しまして、本選に進むことができました。
毎年書類を送り続けて、はじめて本番やらせてもらえます。嬉しい。
僕らの「わかんない」芝居が受け入れられるのか楽しみです。
本番は7月です。詳細はまたお知らせします。お楽しみに。
青山健一